所有者不明土地ガイドブック~迷子の土地を出さないために!~19 名取 仙台太白区 本郷秀隆司法書士事務所
1.はじめに ……………………………………………………………………… 1
(1)所有者不明土地とは …
(2)所有者不明土地の問題点
(3)所有者不明土地対策に関する制度の現状
(4)本ガイドブックの使い方
2.既に発生している所有者不明土地を解消するための既
存の施策
3.所有者不明土地の解消に向けた民事基本法
制の見直
(3)土地・建物に特化した財産管理制度の創設
② 管理不全状態にある土地・建物の管理制度
(令和5年4月1日施行)
所有者による管理が不適当であることによって、他人の権利・法的利益が侵
害され又はそのおそれがある土地・建物について、利害関係人が地方裁判所に
申し立てることによって、その土地・建物の管理を行う管理人を選任してもら
うことができるようになります。
A 管理人による管理の対象となる財産
管理不全土地(建物)のほか、土地(建物)にある所有者の動産、管理人が
得た金銭等の財産(売却代金等)、建物の場合はその敷地利用権(借地権等)
にも及びますが、その他の財産には及びません。なお、区分所有建物について
は、所有者不明建物管理制度は適用されません。
B 申立権者
管理不全土地・建物の管理についての利害関係を有する利害関係人が不動
産所在地の地方裁判所に申立てをします。
C 管理命令の発令
所有者による土地又は建物の管理が不適当であることによって、他人の権
利・法的利益が侵害され、又はそのおそれがあり、土地・建物の管理状況等に
照らし、管理人による管理の必要性がある場合には、利害関係人の請求により、
裁判所は管理命令を発令し、管理人としてふさわしい者(弁護士・司法書士等)
を管理人に選任します。
D 管理人の権限・義務等
管理人は次のような権限・義務等を有します。
<管理不全土地・建物の管理人の権限・義務等>
① 管理人は、保存・利用・改良行為を行うほか、裁判所の許可を得
て、これを超える行為をすることも可能です。ただし、土地・建
物の処分をするには、所有者の同意も必要です。
② 管理処分権は管理人に専属せず、管理不全土地・建物等に関する
訴訟においても、所有者自身が原告又は被告となります。
③ 管理人は、所有者に対して善管注意義務を負い、共有の土地・建
物を管理する場合は、共有者全員のために誠実公平義務を負い
ます。
④ 管理人は、管理不全土地等(予納金を含む)から、費用の前払・
報酬を受けることができます(費用・報酬は所有者の負担)。
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