所有者不明土地ガイドブック~迷子の土地を出さないために!~12
1.はじめに ……………………………………………………………………… 1
(1)所有者不明土地とは …
(2)所有者不明土地の問題点
(3)所有者不明土地対策に関する制度の現状
(4)本ガイドブックの使い方
2.既に発生している所有者不明土地を解消するための既
存の施策
3.所有者不明土地の解消に向けた民事基本法
制の見直し
② 相続人申告登記
(令和6年4月1日施行)
不動産を所有している方が亡くなった場合、その相続人の間で遺産分割の
話し合いがまとまるまでは、全ての相続人が法律で決められた持分(法定相続
分)の割合で不動産を共有した状態になります。
この共有状態を反映した相続登記を申請しようとする場合、法定相続人の
範囲や法定相続分の割合を確定しなければならないため、全ての相続人を把
握するための資料(亡くなった方の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本など)
の収集が必要となります。
そこで、より簡易に相続登記の申請義務を履行することができるように、新
たに「相続人申告登記」の仕組みが設けられました。
相続人申告登記は、それぞれの相続人が単独で申告することができ、添付書
面も限定されるため、相続登記の申請義務を簡易に履行することが可能にな
ります。
相続人申告登記
㋐登記簿上の所有者について相続が開始したことと、㋑自らがその相続
人であることを登記官に申し出ることで、相続登記の申請義務(上記①A
の義務)を履行したものとみなされます。
この申出がされると、申出をした相続人の氏名・住所等が登記されます
が、持分の割合までは登記されないので(※)、全ての相続人を把握するた
めの資料の添付は必要ありません(自分が相続人であることが分かる戸籍
謄本等を提出すればOK)。また、一人の相続人が相続人全員分をまとめて
申出することもできます。
(※)相続によって権利を取得したことまでは公示されないので、相続人申告登記
は従来の相続登記とは全く異なるものです。


