所有者不明土地ガイドブック~迷子の土地を出さないために!~4
1.はじめに ……………………………………………………………………… 1
(1)所有者不明土地とは …
(2)所有者不明土地の問題点
(3)所有者不明土地対策に関する制度の現状
① 現行の所有者不明土地法の制定経緯と概要
(1)(2)のような所有者不明土地の問題に対して、「所有者不明土地の利
用の円滑化等に関する特別措置法」(所有者不明土地法)が制定され、平成30
年11月15日に一部施行、令和元年6月1日に全面施行されました。
○ 所有者不明土地を円滑に利用する仕組み
反対する権利者がおらず、建築物(簡易な構造の小規模建築物を除く。)が
なく現に利用されていない所有者不明土地について、以下の仕組みが構築さ
れました。
ア 公共事業における収用手続の合理化・円滑化(所有権の取得)
土地収用法に基づき、公益性等についての事業の認定を受けた後、特定所
有者不明土地を収用等しようとする場合、収用委員会の裁決に代わり、都道
府県知事の裁定により、審理手続を経ずに土地を取得することが可能とな
りました。
イ 地域福利増進事業の創設(利用権の設定)
特定所有者不明土地において「地域福利増進事業」を実施する場合、知事
の裁定により、最長10年間(異議がない場合は延長可能)の使用権を設定
することで、事業の実施が可能となりました。
地域福利増進事業とは
特定所有者不明土地を公園の整備といった地域のための事業に利用す
ることを可能とする制度で、都道府県知事の裁定により、最長10年間(延
長申請も可能)の使用権が設定され、利用することを可能とします。
地方公共団体だけでなく、民間企業、NPO、自治会、町内会等、誰でも
使用権を取得して事業を行うことができます。
<主な対象施設>
◯ 公園、緑地、広場、運動場
◯ 道路、駐車場
◯ 学校、公民館、図書館
◯ 社会福祉施設、病院、診療所
◯ 被災者の居住のための住宅
◯ 購買施設、教養文化施設(周辺で同種の施設が著しく不足している
場合等に限り、対象となります。)
3