所有者不明土地ガイドブック~迷子の土地を出さないために!~16
1.はじめに ……………………………………………………………………… 1
(1)所有者不明土地とは …
(2)所有者不明土地の問題点
(3)所有者不明土地対策に関する制度の現状
(4)本ガイドブックの使い方
2.既に発生している所有者不明土地を解消するための既
存の施策
3.所有者不明土地の解消に向けた民事基本法
制の見直
(1)不動産登記制度の見直し
(2)相続土地国庫帰属制度の創設
(令和5年4月27日施行)
都市部への人口移動や人口の減少・高齢化の進展などを背景に、土地の利用ニ
ーズが低下する中で相続を契機として取得した土地所有に対する負担感が増加
しており、このような土地が所有者不明土地の予備軍となっていると言われて
います。
そこで、所有者不明土地の発生予防の観点から、新たに「相続等により取得し
た土地所有権の国庫への帰属に関する法律(相続土地国庫帰属法)」(令和3年法
律第25号)が令和3年4月28日に公布され、相続等によって土地の所有権を
取得した相続人が、今後その土地を利用する予定がない場合、法務大臣の承認に
より、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度が新たに創設さ
れました。
A 申請できる人
基本的に、相続や遺贈によって土地の所有権を取得した相続人であれば、申
請可能です。制度の開始前に土地を相続した方でも申請することができます
が、売買等によって任意に土地を単独で取得した方や法人は対象になりませ
ん。
また、土地が共有地である場合には、相続や遺贈によって持分を取得した相
続人を含む共有者全員で申請していただく必要があります。
B 申請できる土地
次のような通常の管理又は処分をするに当たって過大な費用や労力が必要
となる土地については対象外となります(要件の詳細については、今後、政省
令で定められる予定です。)。
<国庫帰属が認められない土地の主な例>
① 建物、工作物、車両等がある土地
② 土壌汚染や埋設物がある土地
③ 危険な崖がある土地
④ 境界が明らかでない土地
⑤ 担保権などの権利が設定されている土地
⑥ 通路など他人による使用が予定される土地
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C 要件審査・承認
申請後、法務局による書面審査や実地調査が行われます。
なお、運用において、国や地方公共団体に対して、承認申請があった旨を情
報提供し、土地の寄附受けや地域での有効活用の機会を確保することが予定
されています。
D 負担金の納付
申請時に審査手数料を納付するほか、国庫への帰属について承認を受けた
場合には、負担金(10年分の土地管理費相当額)を納付する必要があります。
具体的な金額や算定方法は、今後、政令で定められる予定です。
<相続土地国庫帰属制度の手続のイメージ>
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< 所有者不明土地の利用の円滑化を図る方策 >


